Night train home - 矢野顕子 / 岸田繁、rei harakami



 矢野顕子くるり岸田にレイハラカミとか反則だろ。


 ゆったりと走る夜行列車のように始まり、徐々にビートを上げていく。盛り上がってきたところでしっとりと「電気消えて音も無い一分間」、一度無音状態に。そして疾走感を増し鉄ヲタも裸足で逃げ出す電波フレーズの嵐。


 電気グルーヴだったりArtificial Intelligenceだったり、無機質かつ疾走感のあるイメージの鉄道はテクノの題材として鉄板な訳だけれども、この「Night train home」は鉄道の感覚描写において群を抜いていると思う。長距離夜行列車のデッドセクションをフィーチャーした「静と動」の緩急、無機質な鉄道用語の羅列の中にチラリと感情を乗せた歌詞、鉄道の疾走感と夜の静けさを融合させた音作り、これらの相反する要素が全部溶け合っていて、不思議な感覚へと導いてくれる。


 「Night train home」は矢野顕子のアルバム「ホントのきもち」#10に収録。

ホントのきもち

ホントのきもち