Rahmens presents 『GOLDEN BALLS LIVE』 NAMIKIBASHI Satellite mix


 ラーメンズの企画ライブ。通常公演とは違って派手な舞台セット(舞台美術:片桐仁)、映像作品(小島淳二)との融和、役者が5人(ラーメンズ久ヶ沢徹西田征史野間口徹)に音楽がFantastic Plastic Machine田中知之というもっさりした構成。


 多分、意図的なのだと思うが、小林賢太郎の超絶マイムと片桐仁の人間離れした動きがほとんど出てこない。その代わり小道具が豊富で、むしろ「ジンティラー・ヨーガ」や「チャンスハンター」のように小道具で笑いを取りに行っているものも多い。個性を薄めることで、演者の人数の多さとバランスをとっているのだろう。ラーメンズのコント、というよりは、ラーメンズを役者とした演劇といったほうがいいのかもしれない。良くも悪くもラーメンズらしくない。


 その分、人手と小道具を十分に生かした実験を数多くこなしている。大喜利のパロディ的な「愚問道」、言葉のリズムを生かした「擬音祭り」など、ラーメンズのテイストを出しながら、大人数でしか成しえない事をやっている。そのなかでも「チャンスハンター」はかなりの傑作コント。普段、最低限に小道具を限定している小林賢太郎が、本気を出して小道具作りこんだらどうなるか?という最たる例。