One Plus One / 悪魔を憐れむ歌 - ジャン・リュック・ゴダール / ローリング・ストーンズ

 The Rolling Stonesの「悪魔を憐れむ歌」という曲ができるまでのドキュメンタリー。で、監督はゴダールゴダールと言えば極彩色・静止画・意味不明の3拍子そろった「気狂いピエロ」を絶賛した私ですが、こいつはちょっとシュールすぎました。とりあえず数分間ストーンズがだらだらと曲作ってるかと思いきや、なんか政治色の強いイメージ映像が突然割り込んで数分間流れ続け、またストーンズがだらだらだらだら・・・。

 ただ、レコーディング風景の間にCMのごとく挟まれる謎の政治映像はやっぱりゴダールだなあと。森の中でテレビクルーが若い女の人を追いかけながら「あなたの苗字は全体主義ですか?」「民主主義ですか?」と執拗に意味のわからん質問を繰り返し、女の人は「イエス」「ノー」だけで適当にあしらい続ける。という映像が数分間続き、絶妙のカメラワークでしかもノーカット。このクオリティの高い冗談はもう世の中なめきってるとしか思えません。イデオロギー=ナンセンスを体現する神ですよ、ゴダールは。

 と褒めては見たが、私がこの映画にイマイチなじめなかった一番の理由はやはり、「ああ、ストーンズね。あの、・・・ヴォーカルがミックなんとかの?」ぐらいの認識しか持っていなかったということです。正直ああいうだらだらした音楽は苦手なんですよ。歌詞も適当極まりないし。ストーンズの熱狂的ファンなら楽しめる映画なのではないでしょうか。